京都の世界遺産「清水寺」(国宝)の本堂から張り出した「清水の舞台」は、計78本のケヤキの柱で支えられている。舞台を支えるケヤキの資格は「幹回り2メートル以上、または樹齢100年以上」。
違法伐採されたケヤキは、吹田市の査定で、「幹回りが2メートル4センチ、樹齢100年相当」で、違法行為を阻止しようとした吹田市の専門官らは「国宝を支えるような大阪府内でも大変希少な樹木だった」と、昨年10月、強行伐採された後も何度も現場を訪れ、今でもその悔しさと憤りを隠さずにはいられない。
さらに、共有財産のケヤキ伐採費用を公金で支出(急遽伐採日変更に伴う事前の理事会決議、議事録共になし)したが、団地の共有財産を無断で処分(伐採による収益費用を管理組合に還元せず)したことになる。
その上、単独決議でない団地160軒の入り口に鎮座していたケヤキ伐採は「団地全体の資産価値を下げた瑕疵」(前述の橘会長)に相当という。
1億強の工事費が3億円に
加えて同駐輪場新設計画に関して昨年、今年5月の両総会議案書に建設工事費として400万円(昨年)、149万円(今年)がそれぞれ別個に計上案が示された。
豊洲市場のように工事費がじりじり吊り上げられるが、事業計画(施行業者の契約見積書、工事経費、図面等の詳細)を一切、両議案書(昨年と今年)に無掲載で提案。「背任行為にも相当」(吹田市市議顧問弁護士)と指摘される。
また、今回の共有財産のケヤキ伐採、駐輪場建設は「共有部分の著しい変更」に相当するとされ、例え4分の3の議決(今回の総会議決は無効)があっても、近隣住民へ悪影響を及ぼし同住民の承諾なしに計画推進、工事決行した場合、違法とする「区分所有法17条2項、管理規約49条10項」に抵触する問題もある。
さらには「一連の違法行為は損害賠償対象にもなる」(上述の顧問弁護士)。
千里では建て替えが進む一方、住民の高齢化や建設費用、意見の対立などで建て替えを見送る住宅も多く、同団地でも建て替えを計画したものの断念。2014年、大規模修繕を実施したが、規約で定められている入札方式を採用せず、ダイワサービスと随意契約。
当初、1億8000万円の工事費は、最終的に3億3000万円に吊り上げられ、「随意契約の場合は業界の常識で、バックマージンが発生する。ダイワサービスの工事費吊り上げは数年前から問題になっている」(大阪弁護士