2016/3/5 7:27 《現在地》
村道起点から800m地点にて、予告なく現れたバリケードに進路を阻まれた。
海抜は、起点から70mほど下がって230m付近。すなわち、目指す大千代港の埠頭まで残り高低差230mである。
バリケードの直前は、車の転回が出来るくらいの広場になっているが、広場全体が急坂だ。
下りきっているわけでもなく、頂上というわけでもない、いかにも中途半端な地点での封鎖というのが、よく伝わってくる。
それに、なにゆえ道が閉ざされているのかの説明が全くない。 (強風に吹き飛ばされたかも知れない)
ちなみに、少し遠くからこのバリケードを見ると、その先の路面がまるで見えないために内心ギョッとしたのだが、ここから勾配がさらに急になっているために、そのような見え方になっていた。
バリケードに近づいてみると、ちゃんと道が続いているのが見えてホッとしたのである。
まあ、真の問題はこの先なのだが。
閉ざされた道の先は、バリケードから30mほどで切り返しのカーブになっているのが見える。
地図上の村道も、終点直前に切り返すようなカーブを見せていたっけ。まさにその通りの線形が現れたことで、いよいよ終点に近づいている実感が深まった。
この唐突に現れた切り返しのカーブこそ、村道18号大千代港線がこれまでの山腹トラバースを切り上げ、港へ下りていこうとする明確な意思表示であったのだ。道は目的達成の後半フェーズへ入ったわけだが、その冒頭でいきなりの封鎖とか、前途多難さが滲み出ている。
……それにしても、 強烈に暴力的な背景だ。 ゾクゾクする…。
切り返しのカーブの向こう側は、地面が途絶していた。
空撮写真 で見た“絶望的な崩壊”が、これだ。
ここは海岸から200m以上も高い位置であるのに、生半可ではない幅を持つ、まさに地割れのような崩壊が、斜面を完全に切断していた…!
昨日、残所越の旧道で見た(そして私を退けた)大崩壊を上回る規模の崩壊地であると思う。
そして、残所越の旧道がそうであったように、いま見えている最上段の切り返しカーブこそギリギリ呑み込まれず済んでいるが、この先下るにつれて道は無事ではないということなのだと思う。それこそが、平成6年の発災から20年以上も続いている大千代港孤立の原因だろうと看破した。
(この景色で私を恐れさせたのは、目前の大崩壊