阪急梅田駅で切符を購入すると、梅田の「田」の字の「+」部分が「×」又は「メ」になってますが、印刷ミスではありません。
自動改札機が無かった時代、すなわち人の手で改札を行っていた時代に、他に「田」の付く駅と区別するために用いられたのが理由と言われています。
阪急には「園田」「池田」「吹田」「山田」「富田」と「田」のつく駅が「梅田」の他に5つもあります。
人間では瞬時に見分けることは不可能だったことから、最も利用客の多い梅田駅の「田」の字を「区|」にして見分けやすいようにしたのです。
その名残が、自動改札機が普及した現在でも使われています。切符はもちろんのこと、ラガールカード・定期券等にも使われています。
ただし、ICカードの利用履歴の印字や駅の看板には普通の「田」が使われています。
管理人の調査結果によれば、昭和34年発行の定期券で梅田の「田」の字の「+」部分が「×」、昭和48年発行の乗車券で「田」の字の「+」部分が「メ」であることを確認しています。
また、昭和33年以前の定期券、昭和47年以前の乗車券で使用が確認されていません。これらの事実から、
現在の表記方法が使われ始めたのは昭和34年からで、最初に販売単価の高い定期券に採用され、昭和48年から乗車券に採用されたと考えられます。
昭和48年から取り扱い数の多い乗車券に採用されたとはいえ、採用時点で自動改札機に対応しており、自動改札機も普及しつつある最中であったため、
皮肉にも実際に人間の目で区別されることはあまりなかったのではないかと考えられます。
定期券については自動改札機を利用せず駅員窓口で見せて通ることがあったため、実際この表記が役に立っていたのは定期券のみではないかと思われます。
二代目カード対応券売機で購入した乗車券と土休日回数券です。梅田の表記が全て「田」の中が「メ」になっています。
また、回数券を自動改札に通して印字される梅田は「メ」ではなく完全に「×」の形になっています。