今回から舞台となる三遠南信自動車道の全体像を、まずご確認いただこう。
三遠南信自動車道は、長野県飯田市から愛知県を経由して静岡県浜松市北区に至る高規格幹線道路で、昭和62年に閣議で決定された。
一般国道474号の自動車専用道路として整備され、全長は約100kmとなる予定である。
完成すれば、中央自動車道と現在建設が進んでいる第2東名高速道路および東名高速とが結ばれ、酷道と呼ばれる国道152号を大幅に強化するものとなる。
沿道は交通不便な山間部がほとんどで、過疎が進行している地域であるだけに、開通による地域の活性化に大きな期待が持たれている。
平成23年9月現在の整備状況だが、供用済み区間は全体と2割以下で、多くの区間が事業中ないし計画中の段階である。
今回取り上げている草木トンネルは、路線のほぼ中間点にあたる「水窪北インターチェンジ」を起点にしており、探索の舞台もそこである。
現在、水窪北ICから(草木トンネルを通らず)青崩峠を越える「青崩峠道路」の一部区間(全長6km)が事業中であり、平成28年以降の完成を目指している。
また、水窪北ICから水窪市街地を通って佐久間ICまでの区間は、「水窪佐久間道路」といい、こちらはまだ計画段階に留まっている。
2011/3/3 6:15 【現在地】
青看と共に現れた分岐地点。
左の道は、ヒョー越峠へ向かう、国道474号。
右の道は、青崩峠へ向かう、国道152号。
2つの道は全く異なる路線だが、分岐風景はまるで新道と旧道のようだった。
私はもちろん、左の道へゆく。
ここから先が、平成20年に一般道に降格するまで、自動車専用道路である高規格幹線道路「三遠南信自動車道」だった区間である。
なお、自専道でなくなった今も国道474号の指定は残っており、長野県飯田市を起点として静岡県浜松市北区を終点とする国道474号の開通区間としては、ここが最南端だ。
今までの山道が嘘のような直線道路!!
しかし、ここはまだ本線ではない。
この直線部は、晴れて三遠南信道が浜松方面へ延伸した際に、「水窪北インターチェンジ(仮称)」(資料でも「仮称」付きでこの命名がされている)のランプウェイ(取付道路)になる予定である。
これを「であった」と過去形にしなかったのにもワケがある。
前回私は、整備計画の変更によって、草木トンネルは三遠南信