2011/4/21 14:03 《現在地》
上村市営住宅の裏手にある「マムシの大岩」 (←酷い略称だと思うがお許しを) の前で、車が通れる「国道」はいとも呆気なく終わりを迎えた。
自転車も、ここまでだ。
第二第三の「大岩」が転げ落ちてくることを阻止すべく、山の縁には真新しい土留め擁壁が施工されており、一見すると国道どころかいかなる道も続いていなさそうだったが、見えざる道を見る者であるオブローダーの本領発揮とばかりに付近を詮索した結果、写真の位置を「道」と判断した。
「マムシの大岩」の裏から東へ伸びる、高い擁壁と低い擁壁に挟まれた、細い上り坂のような敷地である。
周囲を「長野県」の用地杭が囲んでおり、「国道だから」だといいたいところだが、県が施工した「急傾斜地崩壊対策工事」の関係かもしれない。
いずれにしても民家の敷地ではないようだから、大手を振って歩いても…、良いのかな…?
擁壁と擁壁の隙間を10mほど歩くと山側の擁壁が終わり、宅地側にある擁壁の裏へ自然に入り込む形になった。
そして気付くと、自分は町側ではなく山側の存在になっていた。
国道は最終的にこの山の頂である小川路峠を目指すわけだから、山へ入ることは目的に適っている。
ここが正解だという期待を強くしたが、一方でそんな期待を挫くように、狭い行く手に大量の枯れ竹が山積みにされており、私の前進を露骨に邪魔してきた。
枯れ竹の山を踏み越えることは単純に面倒なだけでなく、バキバキと喧しい音を立てることになる。民家の裏手に忍び込んでいる現状に少なからず後ろめさを感じている私は、出来るだけ隠密に行動したかった。だから道なき斜面をよじ登って高巻きの迂回を決行した。右の写真は高巻き中の撮影だ。
土留め擁壁越しに、この国道の終点であり、旅の起点となった向井橋が見えた。
あそこからここまで、ほんの400m足らずでしかなかった。
上村側の国道256号のまともな区間が、どれほど僅かであるかがお分かりいただけるだろう。
全国458路線の国道の中で、終点や起点のこれほど間近に「自動車交通不能区間」がある路線は、他にないと思う。
これは同じ位置から振り返って、市営住宅内の俯瞰を撮影した。
国道はこの住宅地を狭い路地で横断し、山へ取付いていると思われる。
住宅地の造成が行われた後に国道が指定されたわけではなく、先に