公共交通も、九十九里鉄道の、今時珍しい木床バスが1日3本、八街駅から極楽寺を経由して東金駅まで結んでいるものの、これを利用するよりは八街のコミュニティバスの方がまだ便利で本数も多い。市域は東金市でも、極楽寺は事実上、八街の住宅地の1つである。
極楽寺は、分譲地は大した規模でもないにもかかわらず物件サイトにおいて、貸家や中古物件がどこかしら常に掲載されている地域なのだが、それは市域の外れという地理的な制約面の他に、八街駅から極楽寺方面へ向かう国道409号は恒常的に交通量が多く、特に極楽寺までの間には、右折待ちで車両が滞りがちな交差点がいくつもあり渋滞しやすい上、八街市南部は商業施設が乏しいことから、その不便さが敬遠されているのかもしれない。地価も、八街駅周辺ではもっとも安いエリアの1つとなる(坪単価1~2万程度)。
ただし極楽寺を通学区域に抱える源小学校は、農村の学校であるためか地域社会の支援は厚く、自治会によって通学バスが運行されているので、地価の安さもあって若い夫婦もそれなりにいるようで、限界ニュータウンとしては、子供の姿を見掛ける機会の多いところでもあり、今では絶滅危惧種と化しつつあるプヒャラ系改造バイクもチラホラ見掛ける。ちなみに旧来の農村集落である極楽寺に対し、近年開発された分譲地は「新極楽寺」とも呼ばれている。