八街市の滝台は、市の最南部、東金市と隣接した地域である。地名の由来は「山田台」同様、東金の滝地区に隣接した台地上の地域ということで、開拓時代に「滝台」と名付けられたが、旧開拓地である一方、奈良時代の作成と思われる「山辺郡印」の銅印が地区内の遺跡(滝台遺跡)から出土するなど、古来から居住の形跡が見られる地域でもある。またこの地域は戦国時代の古戦場としても知られ、地区には今でも、兵が敵の攻勢から身を潜めた「凌台(しのぎだい)」、捕虜の首を切ったという「首切り谷」、大将の首を埋めたという「かま塚」、敗走兵の死体で埋め尽くされたという「死人谷(しびとざく)」などなど、あまりにストレートすぎるためか地図上で示されることはないが、物騒な小字が各所に残されている。とはいっても現在は、時折ラブホテルを見かけるものの、他の八街南部の地域同様広大な畑が広がる静かな農村だ。
さて話は変わるが、2018年1月6日付の朝日新聞デジタルに、次のような記事が掲載されている(本誌は1月7日掲載)。短い記事なので全文を引用するが、要は私道の補修工事の合意形成に関する記事だ。
分譲住宅地内などで住民が共有する私道の補修工事をする際、全員の同意がとれず改修が進まない、などの問題が生じている。法務省は近く、具体例をあげて「1人でもOK」「過半数の同意が必要」などとルールを示したガイドラインをまとめる。
民法は、補修などの程度によって同意する人数を区別。全面的に形状を変える「変更」は全員、現状を維持する「保存」は単独、などと規定している。しかし、こうした解釈に関する判例は少ないため、これまで事実上、すべて全員の同意が必要とされてきた。
一方、相続登記されずに所有者不明の土地が放置されることが問題になるなか、「共有私道」も所有者がわからないケースが増加。同意が取れず、補修工事が進まない事例も起きているという。