2016/2/6 14:57 【現在地】
ここからは、全長4.1kmだった「三原山ドライブウェイ」の後半戦にあたる行程だ。
目指すは1.8km先の御神火茶屋、この道の“本当の終点”である。
写真は、再出発直後に振り返って撮った。
道は行き止まりに向かって真っ逆さまの急下りだが、傍らの古ぼけた道路標識には、左カーブが予告されていた。
…予告してくれたけど、その部分はもうなくなってしまったんだよ…。
そんな風に教えてあげたくなる。
“実在しない”カーブの標識を撤去せずそのままにしていることは、道路管理上の怠惰だが、遺構的にはGJ!
地の底から甦った上り坂は、再び地に呑まれることを怖れるように、一目散で上り続けた。
自転車の私のことなんて、少しもいたわる気配はない。
もとは自動車専用道路なんだから、当然か。
その一方で、道幅は不自然なほどに広かった。
たった2日間の伊豆大島での道路体験ではあったが、その範囲内で目にした道では、最も広いのではないかと思う。
かつて、大型観光バスが悠々と行き来した光景をイメージさせる。
こんなに幅は広いのに、路上には中央線も路側線も全く残っていない。
それほどまでに、鋪装はボロボロになっていた。
ガードレールもほとんど塗装を失って、逆に最近の観光道路で流行っている木色塗装のようだ。
ガラガラガラガラガラガラガラガラガラ……
……ガラガラガラガラガラガラガラガラガラ。
そんな乾いた音をたてながら、案外に多くの車が私の脇を行き交うのだった。
これはとても舗装路の奏でる音じゃない。
至る所で鋪装が禿げて、それが砕けた砂利が、タイヤに弾かれ鳴いている。
勾配も、アールも、どちらも急な九十九折りのカーブだから、路面の傷みはなおさらだった。
まさに、古色蒼然という言葉がもっともぴったり来る道路風景。
廃道ではないにも拘わらず、観光ガイドにも掲載された観光道路であるにも拘わらず、この有り様だよ!
これでなんの想像力も働かせず、ただボロい道だなで終わってしまう人がいたとしたら、気の毒に思う。 (←余計なお世話だろ、それは…)
なんなのこの熱さ。
こんなに幅が広いのに、こんなに急な道って、あんま見ない。
ボロボロの鋪装の上に、ゴムタイヤのスリップ痕が大量にこびり付いてるし……
どんだけ車に優しくない道なんだよ!
ずっと先ま