本日開催理数科課題研究発表会に就いての所感

2001-02-07

始めに

本日開催の理数科課題研究発表会に就いて、その内容に関してはとやかく言えるような立場に無いが、その発表に際しての計算機技術の活用に関しての所感を本稿では述べる。

不足する経験

計算機を利用したプレゼンテイションは実用的な水準に達してからまだ然程の時間が経っておらず、普及の段階にある。そのため活用するに当たっての十分な経験が得られていないと考えられる。それに起因すると見られる不手際があった。

発表者の中にプレゼンテイションのデイタをフロッピー・ディスクに保管していた者があったが、そのため読み込みに時間が掛かった。また、複数のファイルが存在していてどれを開くべきか迷っているような場面も見られた。

読み込み速度は技術的な問題ではあるが、それは当然の如く予測出来た事態である。全体を通して共通の機器を利用していたのだから、開会前に予め各発表者からデイタを集めておき、直ぐに発表に移れる体制を整えておくべきであった。

また、事前に操作手順の確認を充分以上に行っておくべきであった。現状での計算機の扱いが容易でないのは計算機上のソフトウェアの提供者が改善すべき問題ではあるが、則改善することが出来ない以上、現状での取り扱い法は完璧に学んでおくのが良かった。

幼稚な表現力

画面における文字などの物体の配置の仕方や登場の方法、或いは色使いや書体の変化などによる強調法などが殆ど考えられていなかったと思われる。

また、今回はそれ程は感じなかったが、画面切り替え時などのアニメイション効果を必要以上に使う例の経験があるが、これは望ましくない。アニメイション効果ははじめて見た頃には驚愕を覚えたが、最早使い古された。但し使い古されたとは言っても、乱用されだだけであって必ずしも使いこなされたということではない。今後とも使用に当たっては充分考慮されたい。

或いは、プレゼンテイションのソフトウェアなどに幾らか用意されている雛型をしばしば良く使用するが、その際は発表内容を考案して改良していくことが重要である。今回の発表では既定値の侭であり、多少の修正を加えることで良くなっただろうと惜しまれる個所があった。(特に字などの大きさに関しては経験によるものも大きいから、今後が期待される。)

見る人・聞く人の観点から!

今回の発表では、1-7のものが以上のような視点から見ると一番良かったと考える。但し、100点満点中で言うなら70点程度で、まだ改善の余地は大きい。

松本先生も言っておられたが、今回の発表会のような場は、その話題について周囲がほぼ素人だったりもするから、いかに分かりやすくするかが重要である。また、必ずしもその話題に興味を持っているわけではないから、その心を惹くものとすることも重要といえる。そこで計算機のビジュアルな能力を生かすことが必要といえよう。

そうした点で1-7の発表は或る程度の意欲が見られたが、不十分であった。勿論、その実現のために有形無形の圧力があったことは察することが出来る。しかしそれを乗り越えることで、計算機とプレゼンテイション・ソフトウェアにより説得力ある発表とするという本来の目標に近づくことが出来ると信じている。

若葉