[20] [DFN[[[HTMLメール]]]]は、 [[HTML]] によって本文が記述された[[電子メール]]です。
[[HTML]] のみによって本文が記述されている場合と、 [CODE(MIME)@en[[[multipart/alternative]]]]
によって[[平文]]と [[HTML]] の両方が含まれている場合があります。
* MHTML
[22] [[HTMLメール]]のように [[MIME]] と [[HTML]] を組み合わせた形態を [[MHTML]]
と呼び、90年代末に [[IETF]] で標準化されました。 [[MHTML]] では [CODE(URI)@en[[[cid:]]]]
[[URL]] や [CODE(MIME)@en[[[Content-ID:]]]] [[ヘッダー]]によって他の [[MIME]]
[[本体部分]]の画像等を [[HTML]] に埋め込むことができます。また [CODE(MIME)@en[[[Content-Location:]]]]
[[ヘッダー]]によって [[MIME]] [[本体部分]]の [[URL]] を記述することもできます。
* HTML の部分集合
[21] 通常は安全上、実装上、その他の理由から完全な [[HTML]] ではなく、
[[HTML]] (や [[CSS]] その他関連技術) の一部だけが有効となっています。
ただ、どの一部分が有効かについては [[MUA]] によって様々です。
過去に標準化の試みが何度かなされましたが、成功したことはなく、
事実上の標準といえる部分集合すら明らかにはなっていない状態です。
* 外部参照
[25] [[HTMLメール]]から [CODE(URI)@en[[[http:]]]] [[URL]] 等によって外部の画像等を参照できると電子メールのサイズを削減できたり、
送信時点ではなく最新の情報を表示できたり、便利なことがあります。しかしながら、
メールの送信者が受信者のメール閲覧行動をある程度把握できてしまうので、
プライバシー上の問題があります。
[26] [[Gmail]] など一般的な [[MUA]] は既定の状態では外部参照を無視し、
送信者等の条件で許可したメールにおいてのみ外部参照を有効とする実装になっているようです。
[27] 現在では [[Twitter]] や [[Facebook]] など主要な[[Webアプリケーション]]からの通知メッセージや
[[Amazon]] 等の [[DM]] など、 [[HTMLメール]]で多くの画像等を含める場合には外部参照が一般的となっているようです。 [TIME[2013-04-06T08:07:14.700Z]]
* HTML メールに対する世論
[23] 90年台中頃に [[HTMLメール]]が登場した頃は、まだテキスト・ベースのシステムへの信仰が根強く、
また [[MIME]] を正しく処理できない [[MUA]] が (送受信とも) 多かったこともあり、
[[HTMLメール]]は不適切な技術と受け止められました。特に [[Windows]] に同梱されていた
[[Outlook Express]] などは、[[電子メール]]の標準に反する点が多かったこともあって、
[[HTMLメール]]が既定値である好ましからざる [[MUA]] として利用者を含めて攻撃の対象となりました。
当初は [[HTML]] と[[電子メール]]の[[セキュリティ]]上の問題も明確になっておらず、
しばしば脆弱性が発見されて問題になっていました。
[24] それでも [[HTMLメール]]の表現力は魅力的であり、携帯電話の[[デコレーション・メール]]や
[[Webアプリケーション]]事業者等からの [[DM]] や通知メールに採用され、広まっていきました。
[[Thunderbird]] や [[Gmail]] をはじめ、2000年代以後に登場した [[MUA]] は
[[HTMLメール]]の送受信ができるのが一般的になっています。
* メモ
- [1] [[WWW]] の登場に驚愕した人々は、当時の[[ネットワーク]]のキラー・アプリケーションだった[[電子メイル]]や[[電子ニュース]]のメッセージで、 [[HTML]] の[[タグ]]をちょっと遊びがてら使ってみたりしました。[[署名]]の部分に [SAMP[七誌権平]] とか書いてみたり。
- [2] >>1 もちろん、メッセージのその他の部分は HTML には程遠い、普通の plain-text なのですが。
- [3] >>1 中には、 [[MUA]] で [[a]] 要素を[[ハイパーリンク]]として表示・反応可能にする人もでました。
- [4] >>1-3 これは MUA での [[URI]] のハイパーリンク化という現在では当たり前の実装につながるだけでなく、 HTML メイルの先駆けとも言えます。
[5]
[CITE[HTMLメールマーケティングガイド - HTMLメールのメール配信、効果測定、コンバージョン向上施策 -]]
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[CITE[Style In Email - css-discuss]] ([CODE[2007-03-26 20:41:51 +09:00]] 版)
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[CITE@en['''['''Interoperability''']''' Implementation reports for HTML in mail clients and Good Practices]] ([[Karl Dubost]] 著, [CODE[2007-02-21 13:58:53 +09:00]] 版)
([[名無しさん]])
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[CITE@en['''['''Interoperability''']''' Implementation reports for HTML in mail clients and Good Practices]] ([[Karl Dubost]] 著, [CODE[2007-02-21 13:58:53 +09:00]] 版)
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[CITE[HTML Email Guide]] ([CODE[2007-03-26 20:45:39 +09:00]] 版)
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[CITE@en[W3C HTML Mail Workshop - 24 May 2007 - Paris]] ([CODE[2007-03-30 20:12:07 +09:00]] 版)
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[CITE[WEBTECH - webtech:vantguarde]] ([CODE[2007-04-03 08:30:53 +09:00]] 版)
([[名無しさん]] [WEAK[2007-04-02 23:32:17 +00:00]])
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[CITE@en[W3C HTML Mail Workshop - List of Papers]] ([CODE[2007-06-08 10:05:55 +09:00]] 版)
([[名無しさん]])
[14]
[CITE@en[Writing a Team Submission for the HTML in mail Workshop]] ([[Karl Dubost]] 著, [CODE[2007-06-11 16:27:22 +09:00]] 版)
([[名無しさん]])
[15]
[CITE@en[Keep HTML and CSS out of my inbox. Please. | 456 Berea Street]] ([[Roger Johansson]] 著, [CODE[2007-07-27 23:04:38 +09:00]] 版)
([[名無しさん]] [WEAK[2007-07-27 14:07:52 +00:00]])
[16]
[CITE@en[Help improve support for Web Standards in HTML email | 456 Berea Street]] ([[Roger Johansson]] 著, [CODE[2007-09-13 21:10:52 +09:00]] 版)
([[名無しさん]])
[17]
[CITE@en[Home | Email Standards Project]] ([CODE[2007-12-08 10:30:01 +09:00]] 版)
[18]
[CITE@en[The Email Standards Project launches | 456 Berea Street]] ([[Roger Johansson]] 著, [TIME[2007-12-08 10:29:59 +09:00]] 版)
[19] 最近 [[Gmail]] のメール送信画面が新しいのになりましたが、今まで[[平文]]を選択していた人でも
[[HTMLメール]]に勝手に切り替わっているようです。メール作成画面の設定から[[平文]]を再度選ぶことができますが、
意識しないと気づかないかもしれません。 [TIME[2013-04-06T07:49:00.200Z]]
[28] [CITE@en[Enlisting the help of HTML mails]]
( ([[Bjoern Hoehrmann]] 著, [TIME[2013-10-26 08:02:22 +09:00]] 版))