[1] [DFN[[RUBYB[事実上の標準]@en[de facto standard]]]] ([DFN[デファクト標準]]) は、 公式に[[標準]]とはなっていないものの市場で実質的に採用されているものを指す言葉です。 [2] 「デファクト標準」という言葉はよく使われますが、文脈によって微妙に意味が違っていたりします。 - [3] 標準仕様として明文化されていない暗黙の仕様 - [4] 標準仕様といえる品質ではないが明文化はされている仕様 - [5] 私的な標準化団体によって仕様化されている仕様 のように、公式に標準になっていないと言っても色々な段階があります。 [[ISO/IEC]] や [[JIS]] のような[[デジュール標準]]寄りの立場だと、 [[IETF]] や [[W3C]] のような[[標準化団体]]の仕様であっても (政府間の関係を基盤とした) 国際標準化の枠組みから外れているという観点で、 >>3-5 をすべて[[デファクト標準]]と呼んだりします。 (その観点だと、しばしば市場で実質的に採用されているか否かは問題とせず、[[デジュール標準]]ではない標準仕様をすべてひっくるめて[[デファクト標準]]と見なしたりもするようです。) [6] [[デファクト標準]]が成立する要因はいろいろあります。いくつか例を挙げるなら、 - [7] その分野を担当する標準化団体の実務力の不足によって標準化が追いつかない - [8] その分野を担当する標準化団体の求心力の不足によって標準化しても無視される - [10] デジュール標準が実態に即してなく、市場に無視される - [11] デジュール標準が抽象的過ぎたり曖昧過ぎたりするために単体では使えない - [9] その分野で標準化団体が存在しない といった感じでしょうか。