[24] [DFN[DOM [RUBYB[イベント]@en@[Events]]]]は、 [[HTML文書]]や
[CODE(DOMi)@en[[[XMLHttpRequest]]]] をはじめとする [[Webプラットフォーム]]の[[オブジェクト]]における[[事象モデル]]です。
* 歴史
[41] [[DOMイベント]]は [[Netscape Navigator 2.0]] の最初の [[JavaScript]] の頃から存在し、
すべての[[利用者エージェント]]に実装されました ([CODE[[[on*]]]] [[属性]])。 [[IE4]] と [[Netscape4]]
によって大幅に拡張・一般化されましたが、両者の実装は完全に異なっていました。更に
[[W3C]] はそれらを元にどちらとも異なる仕様を[[DOM2イベント]]として標準化しました。
[[Netscape4]] はすぐに衰退しましたが、しばらくは [[W3C]] と [[IE]]
の2つのイベント・モデルが存在し混乱のもととなっていました。
[42] その後 [[W3C]] は[[DOM2イベント]]を拡張した
[[DOM3イベント]]の標準化を進めましたが十分な支持を得られず、一旦は中止されることになります。
実用性に乏しい新機能を排除して現実的な仕様として再開されましたが作業は遅々として進まず、
[[DOM4]]、後の [[WHATWG]] [[DOM Standard]] によって改めて
[[Webブラウザー]]の挙動に基づき仕様が全面改訂されるに至り、
[CODE[[[on*]]]] [[属性]]を規定する [[HTML Standard]] と合わせ、
はじめて[[DOMイベント]]の仕様が実装可能なレベルで詳細に文書化されることと相成りました。
** DOM 事象モデルに関わる仕様
[11] [CITE[HTML 4]]
[[HTML 4]] は、[[内在事象]]属性として、 [[DOM 0]]
の事象モデルの中心的な部分を取り入れています。
ただし、詳細な事象モデルの規定はなく、
個々の事象がいつ発生するのか簡単に述べられているだけです。
[1] [CITE[DOM 水準 2・事象]]
W3C ではじめて標準化された事象に関する DOM 仕様本体です。
2000年11月に W3C 勧告になりました。
[[DOM 0]] とは異なり、事象の処理がより正確に規定されていますが、
DOM 0 とは (矛盾はしないものの) 異なる仕様となっており、
結局 DOM 0 の事象関係は曖昧なままとなってしまいました。
[2] [CITE[DOM 水準 3・事象]]
DOM 水準 2 事象の次の水準です。十分な反応が得られなかったために [[Last Call]] WD
の後に2003年11月に WG Note になりました。この仕様自体は勧告に至らなかったとはいえ、
DOM 水準3・中核の勧告や [[SVG 1.2]] などから参照されています。
技術的には、 DOM 水準 2 に比べると、事象名が単なる[[名前]]から[[名前空間URI]]
と[[局所名]]の組に改められたり、 DOM 水準 2 で勧告前に省かれた文字(列)入力に関する事象が加えられたりしています。
仕様書の説明もより整理されたものとなっています。
[8] [CITE[XML 事象]]
[[XML事象]]は、[[事象聴取器]]を XML 文書中に記述する構文の規定です。
2003年10月に W3C 勧告になっています。
[CITE[DOM 水準2・事象]]に基づいて規定されていますが、
[CITE[DOM 水準3・事象]]勧告や [[SVG 1.2]] によれば DOM 水準3と使って良いようです。
機能的・意味的には DOM 水準 0 の各種の事象記述の構文の後継になっていますが、
互換性はまったくありません (お互いに矛盾はしません)。
[10] [CITE[SVG]] ,
[[SVG]] は、 HTML 4 のように[[内在事象]]属性を規定しています。 HTML
とは異なり、 DOM との関係などについても明確に規定があります。
SVG 1.0 と SVG 1.1 は [CITE[DOM 水準2・事象]]と SMIL アニメーションに基づいています。
SVG 1.2 は [CITE[DOM 水準3・事象]], XML 事象, SMIL アニメーション,
[[sXBL]] に基づいています。
[12] [CITE[XBL - XML Binding Language]] ,
[CITE[SVG's XML Binding Language (sXBL)]]
[[XBL]], [[sXBL]] は[[影内容]]と事象の関係について規定しています。
[14]
[CITE[Web Applications 1.0]]
はネットワークを通じて DOM
事象を転送する方法を提案しています。
([[名無しさん]])
[17]
[CITE[Remote Events for XML (REX) 1.0]]
>>14 と同じような目的のものだけど、例によって >>14
は単純で大体うまくいくもの、こちらは完璧に何でもできることを目指したものみたいです。
現時点の仕様案では >>14 は[[変異事象]]を必ずしもうまく扱えませんが、 >>14 は[[変異事象]]''しか''規定されていません。
([[名無しさん]] [WEAK[2006-02-09 02:43:39 +00:00]])
[[#comment]]
** 具体的な事象に関わる仕様
[3] [CITE[DOM 水準3・中核]]
DOM 木の操作による変異事象に関する規定が含まれています。
また、 DOM 事象モデルとは異なる、 [CODE(DOMi)[[[DOMError]]]]
や [CODE(DOMi)[[[DOMUserDataHandler]]]] のような似たような処理の仕組みが規定されています。
[4] [CITE[DOM 水準3・読込みおよび保存]]
読込みや保存に関する事象についての規定が含まれています。
[7] [CITE[XForms 1.0]]
[[XForms 1.0]] は、 [CITE[DOM 水準2・事象]]を基にした処理モデルを規定しています。
[9] [CITE[SMIL Animation]]
[[SMIL Animation]] は [CITE[DOM 水準2・事象]]に基づいて構築されています。
([[SVG 1.2]] によれば水準3として使うことはできないようです。)
[13] [CITE[XUL]]
[[XUL]] は内在事象属性や DOM 事象を定義しています。
[15]
[DASE] [CITE[DTV A S E L 1 (DASE-1) P 2: D A E ATSC Standard]]
は [CITE[[[DOM水準2]]・事象]]を基にして、
鍵盤関連の事象などを定義しています。
([[名無しさん]] [sage])
[16]
[CITE[EMMA: Extensible MultiModal Annotation markup language]]
([[Last Call]])
[[界面]] [CODE(DOMi)@en[[[EMMAEvent]]]] を定義しています。
([[名無しさん]])
[18]
[CITE[Media Access Events]]
([[名無しさん]] [WEAK[2006-10-13 23:23:33 +00:00]])
[21]
[CITE[List of events - ESW Wiki]] ([TIME[2007-04-28 13:20:22 +09:00]] 版)
([[名無しさん]] [WEAK[2007-04-28 04:23:16 +00:00]])
[[#comment]]
** その他
[5] [CITE[VoiceXML 2.0]]
[CITE[DOM 水準3・事象]]は使用例として VoiceXML 2.0 を挙げています。
しかし、実際には VoiceXML 2.0 勧告が規定しているものは (DOM 水準3・事象モデルとは矛盾していないものの)
異なる事象モデルです。
[6] [CITE[RDF/XML Syntax Specification]]
[[RDF/XML]] は規定の方法として (あるいは RDF/XML 文書から RDF グラフを構築する手段として)
事象モデルを定義しています。この事象モデルは DOM のものではなく、 [[SAX]]
のものを基にしています。
[[#comment]]
* メモ
[19]
[CITE@ja[作って納得! DOM 2 Events: Days on the Moon]] ([CODE[2007-03-25 14:31:59 +09:00]] 版)
([[名無しさん]] [WEAK[2007-03-25 05:38:02 +00:00]])
[20]
[CITE@ja[DOM Events とブラウザの実装: Days on the Moon]] ([CODE[2007-03-25 14:37:03 +09:00]] 版)
([[名無しさん]] [WEAK[2007-03-25 05:42:38 +00:00]])
[22] [CITE@en[Touch and gestures events]]
([[Olli Pettay]] 著, [TIME[2009-06-18 05:22:27 +09:00]] 版)
[23] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20100625]]
([TIME[2010-06-29 00:39:18 +09:00]] 版)
[25] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20110212]]
( ([TIME[2011-03-22 22:45:03 +09:00]] 版))
[26] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20110213]]
( ([TIME[2011-03-22 23:37:34 +09:00]] 版))
[27] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20110215]]
( ([TIME[2011-03-23 00:32:10 +09:00]] 版))
[28] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20110221]]
( ([TIME[2011-03-26 23:34:18 +09:00]] 版))
[29] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20110223]]
( ([TIME[2011-03-27 01:13:07 +09:00]] 版))
[30] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20110301]]
( ([TIME[2011-03-27 15:00:02 +09:00]] 版))
[31] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20110303]]
( ([TIME[2011-03-28 22:14:52 +09:00]] 版))
[32] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20110607]]
( ([TIME[2011-06-10 08:38:27 +09:00]] 版))
[33] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20110802]]
( ([TIME[2011-08-13 13:39:31 +09:00]] 版))
[34] [CITE@en[Web Applications 1.0 r6551 Update Event interfaces to use constructors instead of init*Event methods; remove some typedefs.]]
( ([TIME[2011-09-10 10:24:00 +09:00]] 版))
[35] [CITE@en[Compound Document by Reference Framework 1.0]]
( ([TIME[2010-08-17 16:50:04 +09:00]] 版))
[36] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20130105]]
( ([TIME[2013-01-12 11:07:45 +09:00]] 版))
[37] [CITE@EN[Delivery Context: Client Interfaces (DCCI) 1.0]]
( ([TIME[2007-12-11 04:28:19 +09:00]] 版))
[38] [CITE@en-US[XBL 2.0]]
( ([TIME[2012-05-03 02:23:03 +09:00]] 版))
[39] [CITE[IRC logs: freenode / #whatwg / 20130220]]
( ([TIME[2013-02-22 17:28:11 +09:00]] 版))
[40] [CITE@en-US[DOM4 Events]]
( ([TIME[2013-01-07 19:05:28 +09:00]] 版))